歯科医師の資質向上などを議論している厚生労働省の検討会(座長=斎藤毅・日本大名誉教授)は21日、このままだと歯科医師数が2025年には、必要数より約1万1,000人多い供給過剰になるとして、大学歯学部の入学定員削減などの抑制策をとるよう提言することを決めた。
新たに養成する歯科医師の数を、少なくとも毎年1割程度減らすよう提言する。国家試験についても、合格基準の引き上げや出題内容について幅広く検討すべきだとした。
近くまとめる中間報告に盛り込み、厚労省は具体策の検討に乗り出す。合格基準引き上げは、早ければ08年の国家試験から実施される。
同省の04年調査によると、歯科医師の届け出数は約9万5,200人。毎年約1,500人のペースで増えているのに対し、患者数の推計は96年の約130万人をピークに減少傾向が続いている。
報告書は、このままの状態が続けば、歯科医師の数は2025年に約1万1,000人過剰になると推計。専門職としての魅力が低下し、歯学部の入学者の質が低下するとともに、教育・研修に必要な患者数が足りなくなり、未熟な開業医が増えて患者にも悪影響を及ぼす、などと指摘している。
05年度の歯学部の定員(募集人員)は、29大学で2,667人。歯科医師数をめぐっては、80年代までに私立大学を中心に歯学部の開設が相次ぎ、厚労省(当時)の検討会は1998年にも歯科医師の10%削減を提言したが、大学側の自主規制に委ねられ、現状は1.7%の削減にとどまっている。
このため今年8月、厚労相と文部科学相は、入学定員削減と国家試験の合格基準引き上げに積極的に取り組むことを再確認していた。