政府の経済財政諮問会議(議長=安倍晋三・首相)が10日開かれ、社会保障改革について集中審議を行った。その中で、国民が受け取る医療・介護サービスの水準を高度化すると同時に、高コスト体質改善に取り組むことに主眼を置いた「高コスト構造是正プログラム」を年度内をめどに作成することで合意した。
過剰な検査など医療や介護の無駄をなくし、必要なサービスを確保しながら給付を抑える狙い。社会保障費の抑制へ、負担増だけに頼らずコスト削減に軸足を移す形だ。これに沿って、団塊世代が65歳以上に達し始める2012年度までを重要改革期間と位置づける。
この日の会合では、御手洗冨士夫・日本経団連会長ら民間議員が、国民負担の増加や給付削減よりも供給コストの削減が重要とし、民間議員が2007年度からの5年間に、どれだけコスト削減できるかを示す数値目標「高コスト構造是正プログラム」の策定を求めた。
同プログラムでは年度ごとの具体的な抑制項目を盛り込んだうえで数値目標を入れる。このほか、現在は出来高払いになっている診療報酬体系を、同じ病気の診察なら診療報酬を定額とする「包括払い」の拡大や電子カルテなどIT(情報技術)化の徹底、医療以外の理由で必要のない入院を続ける「社会的入院」の解消などを挙げている。
社会保障費をめぐっては、7月にまとめた「骨太の方針」で07年度からの5年間に、国の一般会計ベースで1兆1,000億円抑制する改革案を決定しており、この達成に向けて07年度は雇用保険事業への国庫負担カットなどで2,200億円抑制する。しかし、08年度以降の残り8,800億円の削減については細部を詰めていなかった。民間議員はこのうちどれだけの金額を診療報酬体系の見直しなどで削減できるかを示すよう求めた。
これに対して、柳沢伯夫・厚生労働相は「高コスト是正は重要だが、必要な制度改革を積み上げるべきだ」と反論し、今後、コスト削減が可能な項目だけを諮問会議に明示考えを示した。協議の結果、柳沢厚労相、民間議員合作でプログラムづくりが行われる方向となった。
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