Webマガジン 2018年7月1日号 糖尿病の予備軍

  • 健康と病気のわかれ道さまざまな合併症を引き起こすことから、生活習慣病として悪名高い『糖尿病』

    生活習慣病とは、その名の通り「食習慣、運動習慣、喫煙、飲酒等の生活習慣がその発症・進行に関与する疾患群」です。
    糖尿病と診断される前に、その“予備軍”といわれる段階から焦らずじっくり生活習慣の改善につとめていくことで合併症などのさまざまなリスクを減らし、QOL(Quality of Life)をいつまでも高く保ち続けていくことができます。

  • 糖尿病とは
    私たちが食事で摂ったごはんやパンなどの炭水化物は、胃や腸で分解されブドウ糖になります。
    ブドウ糖は血液に吸収され肝臓へ運ばれ、グリコーゲンとして肝臓に貯蔵されます。貯蔵されたグリコーゲンは必要に応じて全身へ運ばれ、エネルギーとして消費されます。
    このような変化を『糖代謝』といいますが、糖尿病はこの糖代謝のメカニズムがうまく働かなくなって起こる病気なのです。

    このメカニズムに欠かせないのが、膵臓から分泌されるインスリンというホルモンで、現代の生活習慣が影響してインスリンの分泌量が減ったり働きが悪くなったりすると、糖代謝がうまくいかなくなり高血糖の状態が続いてしまいます。

    糖尿病の90%以上を占める「2型糖尿病」
    自己免疫反応により膵臓のβ細胞が破壊されているため、インスリンが分泌されないことで発症する1型糖尿病と違い、生活習慣に直結してあらわれるのが2型糖尿病です。
    日本人のおよそ3割は糖尿病になりやすい遺伝子を持っているといわれていて、そこに肥満や運動不足、ストレスなどの環境因子が加わって発症すると考えられています。

  • 糖尿病の診断
    早朝の空腹時血糖値が126㎎/㎗以上、あるいはブドウ糖負荷試験2時間値または随時血糖値(食後からの時間を決めずに測定)が200㎎/㎗以上の場合に「糖尿病型」と判定され、別の日にもう一度検査をして再び「糖尿病型」と判定されると、『糖尿病』と診断されます。

    空腹時血糖値および75gOGTTによる判定区分予備軍急増中のワケ
    私たちが受ける一般的な健康診断では、空腹時に採血をして血糖値を測ります。
    しかし、空腹時血糖値は正常範囲でも食後に急上昇(食後高血糖)する人がいます。

    「血糖値スパイク」とも呼ばれとくに注目されるようになってきました。
    食事による血糖値スパイク

    体質的にインスリンの分泌が少ない人は、食後の血糖値の上昇を抑えられないために鋭く上がりやすく、血糖値スパイクを起こしやすくなります。

    また、もともとインスリン分泌が亢進気味な体質の人もいます。そのため高血糖状態になりにくいのですが、肥満を合併しやすくなります。
    肥満であるにもかかわらず、血糖値が低いという人も注意が必要です。

    健康診断で血糖値が正常範囲の人でも糖尿病予備軍かどうかの指標となるのが、食事の影響を受けにくいヘモグロビンA1cの値です。

    ヘモグロビンA1cとは
    ☆血糖コントロールの指標
    (血液中の割合を調べることで、過去1~2ヶ月の血糖値を推測することができる)
      → 6.1%を超えると要注意「糖尿病型(糖尿病が強く疑われる)」
      → 5.6%以上6.1%未満「境界型(糖尿病の可能性を否定できない)」
      → 5.6%未満「正常型」

  • はたして予備軍なのか!?
    今まで見逃されていた、糖尿病ではないけれど「境界型」と呼ばれる糖尿病の予備軍が、ブドウ糖負荷試験などによって判定されるようになりました。

    定期検診で採血検査健診の結果から予備軍のサインを見つけることができれば、早期治療や生活習慣の改善につながります。
    定期健診は毎年欠かさず受け、気になることがあればかかりつけ医に相談しましょう。

    8/1号では「境界型」の改善に役立つ、生活や食事についてご紹介します。