Webマガジン 2018年4月15日号 唾液のパワー

  • オレンジと唾液いま、お口の健康は全身の健康ととても密接に関わっていることが知られるようになってきました。

    新生活をスタートさせ、まだ緊張気味に毎日を過ごしている人も多いかもしれません。現代人が抱えるストレスは、心も身体もお口の中も、危機的状況にしてしまいます。
    食生活の変化やストレス社会の影響で、唾液の分泌が十分でなくドライマウスの症状を訴える人が増加していると言われています。
    あなたのお口は大丈夫ですか?

    いったい唾液にはどんな働きがあり、私たちの健康にどのような影響を与えているのでしょうか。

  • 唾液はどこから出てくるの?
    唾液は血液をもとに作られていて、口の中の左右両側に一対ずつある3種類の唾液腺から主に分泌されています。
    3つの唾液腺=耳下腺・顎下腺・舌下腺
    大人では1日当たり1~1.5リットル分泌されると言われていて、これは健康な人が1日に出す尿の量とほぼ同じです。
  • 「ツバをつけておけば治る」説
    傷口を舐める野生のヒョウケガをした動物が、傷口をペロペロ舐めているのをテレビなどで見たことがあるでしょう。
    実際に唾液にはケガを治癒させる効能があり、舐めることで傷の治りが早くなることを動物たちは本能的に知っています。

    でも、「少しくらいの擦り傷なら舐めておけば治る」と親や祖父母に言われて育った、という方も、自分の子どもが擦り傷を作って帰ってきたら、水で洗い流し消毒薬をつけて絆創膏を貼ってあげている、というのが現代の一般的な処置法でしょうか。

    一昔前の「ツバをつけておけば治る」というのは、じつはとても理にかなっている方法なのです。

  • 唾液がもたらすスゴイ効果!
    ① 消化を助ける
    唾液の中のアミラーゼという消化酵素によって、デンプンの分解・吸収をスムーズにする働きがあります。
    またムチンというタンパク質は粘性があり、噛み砕いた食べ物を湿らせて、飲み込みやすい食塊を形成します。

    ② むし歯や歯周病を予防する
    唾液中のリゾチーム、ラクトフェリンなどの免疫をつかさどる物質によって、食品についた細菌の繁殖を抑えたり、食事によって酸性に傾いた口の中を中和し、むし歯や歯周病の原因菌の繁殖を抑えます。
    唾液の殺菌・保護効果はスゴイ

    ③ 再石灰化を促進する
    食事によって歯のエナメル質が溶けだすと(脱灰)、唾液成分のスタテリンが歯の表面のエナメル質に皮膜を作り、カルシウムやリンが溶け出すのを防ぎます。
    さらに歯に再び沈着させる再石灰化の働きもあります。

    ④ がんを予防する
    唾液に含まれるペルオキシダーゼという酵素が、食品添加物などに含まれるさまざまな発がん性物質の毒性を低下させる働きをすることが、研究によって明らかになりました。

    ⑤ 口の中を滑らかに
    口の中の湿度を適度に保つことで、発音をスムーズにしたり、口を自由に動かしたりする潤滑剤の役割もしています。
    歯や歯ぐきを乾燥から守り、唇にも適度な潤いを与えてくれます。唾液のおかげで食事も楽しい、会話もはずむ!

    ⑥ 若さを保つ
    唾液には「EGF(上皮成長因子)」「NGF(神経成長因子)」「パロチン」という成長ホルモンが含まれていて、筋肉・内臓・骨・歯など、細胞や神経線維の生育や増殖を促進します。
    そのため自然治癒力や新陳代謝が高まり、全身を若々しく保ってくれるのです。