Webマガジン 2017年5月15日号 歯周病とタバコ

  • タバコ喫煙によって引き起こされる病気といえば、多くの人が真っ先に思い浮かべるのは肺がんでしょう。
    でも、タバコは心臓や脳、消化器や口腔内にも影響を与え、さまざまな病気を誘発しその症状を悪化させます。

    口の中は、身体に侵入するタバコの煙が最初に通過するところです。それが全身に回って及ぼす健康被害は、目で確認できない他の臓器とは異なり、その異変をすばやく発見できるという特徴もあります。

    今号では、タバコの何が歯周病リスクを高め症状を悪化させてしまうのか、『5月31日の世界禁煙デー』に先がけて紹介し、喫煙による口腔内への影響を知ってもらうことで、喫煙者・非喫煙者を問わず、全ての人が「タバコの害」について深く考えてもらえればと思います。

    5/31~6/6は禁煙週間「2020年、受動喫煙のない社会を目指して~たばこの煙から子ども達をまもろう~」

  • 歯を失う原因 №1「歯周病」
    歯周病の進行図(歯肉炎→歯周炎→歯周病)歯周病は、歯の周囲についたプラーク(細菌のかたまり)が歯と歯ぐきの間に入り込み、歯を支えている骨(歯槽骨)を溶かしてしまう病気です。
    そのまま放っておけば、支えを失った歯は抜け落ちてしまいます。

    歯周病は歯周病菌の存在や、さまざまな環境因子の影響が重なって発症の危険性が高まります。

    その要因の一つとして喫煙があげられます。

  • タバコの害について
    タバコの煙には約4,000種類もの化学物質が含まれており、そのうちの200種を超える化学物質が有害であると言われています。
    その中でもとくに身体に深刻な影響を与えるのが以下の3つです。
    ニコチン・タール・一酸化炭素が身体に与える影響
    そして、喫煙による影響は口腔内のいたるところに連鎖し、以下のような悪循環を引き起こします。
    タバコによる口腔内の悪循環
  • 喫煙者の歯周病が悪化するわけ
    歯ぐきから出血!喫煙者の歯周病の特徴のひとつに「炎症症状が現れにくい」ことがあげられます。
    私たちが発見できる歯周病の初期症状といえば歯肉の腫れやブラッシング時の出血ですが、これらがニコチンの強力な血管収縮作用や一酸化炭素の影響で、歯肉が炎症を起こしていても出血が抑えられ初期症状に気づくことが難しくなります。

    そのため、自覚症状のないまま重篤な症状へ進行してしまうのです。

  • さあ、禁煙を始めよう!
    近年、医科の禁煙外来では健康保険による禁煙治療が導入され、保険が適用される対象患者も広がっています。

    また、皮膚や口腔粘膜の接触面からニコチンを徐々に体内に吸収させ、ニコチンの離脱症状を軽減しながら禁煙を補助するニコチンパッチやニコチンガムはOTC化されていて、薬局で購入することもできます。

    これらを利用しながら歯周疾患の治療を受けていくことも有効な方法です。